ハバタクミミ

ポケモン対戦記

【SV ダブル S12 最終17位・27位】リンヤパ偽装キリンゴリラドラン & ツツミランド

 

 

はじめに

Dumboです.ランクバトルシーズン12にて最終17位と27位を達成した構築を紹介したいと思います.ベースとなるアイデアは他の方々の構築を参考にしているので,どちらかというと構築の使用経緯という感じになります.2ROM別々の構築を使用したのですが,背景が重なっているので合わせて紹介しようと思います.

 

 

構築経緯

元々先月はLAICに出る予定で,使用構築を色々と試していた.大会の直前までは,サマヨカイナバレルのようなトリル構築を模索していたが,この少し直前から悪巧みサーフゴーの数が環境に増えており,断念.直前になり手応えのある構築がなくなった.そんな折,日本勢が生み出した面白い構築はないかと探したところ,少し前に開かれていたポケモンパラレルアリーナ(日本でこのような大会が開かれていて羨ましい限りです)で好成績を残された構築の中で,アガノさんの構築が特に目を引いた.

 

 

配信等で残っている記録をもとに,自分なりに調整を推測し,試してみたところ,あり得ないほど環境に刺さっていることが判明した.特に,この時期に流行していたトドロクツキを絡めた中速スタンにツツミランドの並びで圧勝できることが分かったことが大きく,LAICで確実に数を増やすと思われたツキバレルスタンへのメタを張るには絶好の構築だと考えたため,大会直前の数日間はこの構築をベースに調整を重ねていた.

 

しかし,大会直前になり,ブラジルのサンパウロでの滞在地付近の治安情報を念入りに調べるうちに,急にサンパウロに行くのが怖くなった.元々治安が悪いのは知っていたが,空港から会場に行く交通路の間で,Uberなどで車移動していたとしても,停車中に窓ガラスを割られて襲われるみたいな事件が頻発するらしく,特にアジア人などは格好の的らしい.どこにいようがそれなりのリスクを受け入れなければいけないのは承知しているが,はっきり言って大会のために命を賭けるのは洒落にならない.ということで,LAICへの参加は断念.判断自体は間違っていなかったと思うが,この時のLAICへのモチベの消化不良感があり,先月はとりわけランクバトルを頑張ろうと思った.

 

そしてこのLAIC期間中,海外勢が瞬間1位を獲得した以下の構築が公開される.

 

 

これをみてツツミランドが環境に刺さっていることは確信したが,この構築に一つ疑問があった.追い風パにどうやって勝つの? 気になったので,本人の配信アーカイブを見に行った.そこで分かったのは,どうも某カ・エールパのような追い風構築には,キリンゴリラから入りトリルを展開した上で,ドランと火力のあるキリンの全体技を絡めて攻めていき,トリルが切れる転換点あたりをタスキ悪ウーラで締める動きをしているようだった.そして,中速スタンはツツミランドでぐちゃぐちゃにするという感じ.なるほどなぁと思うと同時に,環境の中心で最強構築の一角の追い風パに明確な処理ルートが用意できているツツミランドの裏選出に魅力を感じた.ただ,動きや構築の中身がバレているとそこまで強くなさそうな気もした.そこで,キリンゴリラドランウーラの4体を軸に,公開された構築の動きを取り入れているとは勘付かれにくい構築を試しに組むことにした.そこで注目したのが,海外大会では常にカ・エールパと双対をなす,リンヤパことリンヤさんのパオカイリキキリンだった.

 

 

ウーラオスの種類が選出画面上分からないというバグで,なんと上記の4体が被る.なので,この4体にパオカイを足すと,選出段階の見た目上,全く判別が付かない.そこで,動きがバレない強みを活かし,この6体で構築を組むことに決めた.

 

ここで,追加したパオカイに求められることは,元の瞬間1位構築がツツミランドで担っていた中速スタンをぐちゃぐちゃにする役割だった.そのため,化身ランド並みの火力を出すことが望ましく,通常のパオカイ以上にパワーが求められた.そこで,直近で日本の方々の色々な構築を眺めていた時に目に留まった,鉢巻パオジアンを使ってみたい衝動に駆られた.シングルではもはや常連の鉢巻パオであるが,ダブルでも「あり」という結果が見れたので,一旦採用.逆に,鉢巻を取られたカイリューは,命の球を持って打ち分けができる型での採用に.また,一撃がデカいという要件を満たして欲しかったので,これも以前に何人かの方が結果を残されていたノーマルテラスでギガインパクトができるカイリューを採用した.鉢巻の方が火力は出るのだが,後述するように打ち分けできることの強みもかなり大きいので,一撃射程の範囲・乱数は落ちてしまうもの,大体のカイナ,バレル等の耐久が高いポケモンは落ちそうだったので,一旦は珠で試してみることにした.まあ,相手が想定していない鉢巻パオジアンがもたらす利点がその火力不足も補えるだろうということにしておいた.

 

と,構築は作ったものの,はっきり言えば完成度としては高くない.追い風相手にキリンゴリラドランで選出できる時はもちろん強かった.逆にパオカイ選出になった時は,もう本当にただのゴリ押し.パワーが高いから勝ってるという感じ.でも個人的にはそういうのは好み.なので構築に疑問はあったものの,実験していたサブROMで使い続けることにした.

 

それで,ツツミランドはどこいったという話であるが,個人的に瞬間1位構築の毒テラランドよりも,アガノさんの地面テラランドの圧倒的火力やトルネイーユイ入りに信頼を置いていたので,ツツミランドの強い要素はアガノさんの構築をベースに別構築で考えることにした.アガノさんのオリジナルの構築が強すぎるゆえに,特に追加で考えることはなかったが,ハギギシリをイエッサン♀に代替すべきかを当時は少し考えた.それぞれの特徴は,以下の通り.

 

ハギギシリ: 先制技封じは,ハギギシリが場にいる時のみ(浮いているトルネランドにも適用).火力,素早さがそれなりに高いのでアタッカーになれる.

イエッサン♀: 先制技封じは,フィールドが続く限りのみ(浮いているトルネランドには非適用).この指で味方のサポートができる.トリル封印ができる.

 

今となっては,鉢巻ハギギシリの方が水・エスパーの高火力技を打てるアタッカーになれる点や,ゴリランダーにフィールドを書き換えられなくてすむという点で優れていると思っているが,当時はハギギシリ引き読みでゴリラや悪ウーラからウッドハンマーや暗黒強打が飛んできて事態が最悪になることを嫌い,一旦はゴリラ引きさせないと先制技が通らなくなるイエッサンもありと思い採用してみた.また,地面テラランドに異常なまでに信頼を置いていたので,どうせ着地するからフィールドでもいいかという考えもあった.ただ,イエッサンを選出することのパワー不足感も否めなかったので,ハギギシリのままでよかったかも.とはいえ,イエッサンだからめちゃくちゃ活躍してた試合もあったので,本当にここは一長一短な気もする.個人的に6:4くらいでハギギシリに分がある.

 

イエッサン採用のもう一つの利点は,トリル対策のヤバソチャ枠をトリル封印で兼任してくれる点である(ただしスイッチトリル系には弱くなる).特に,クローズドのランクバトルでは刺さると思った.そのため,自由枠が一つできる.ここに強みを生み出せることができれば,イエッサン採用にプラスに働くと思う.ただ,自分の場合はこの選択を物凄く適当にしてしまった.サイコシードオオニューラを採用したのだが,理由は見せポケとして.前期結果を残したため,オオニューラに対する知識が環境で出来上がっているだろうと思い,あえて添えてみた.勝手に選出段階でオオニューラに対して考えるリソースを割いてくれればOK.それに釣られるかどうかは自分視点分からないので,選出誘導の意図もない.ただ勝手にバグって欲しい願望.どんなシチュエーションでもそうだが,何の意図もないことが,考えている側にとって一番効く,という裏技.なのでこの枠は参考にしないで下さい.もっといい構築ができます.

 

こういった感じで,メインROMではツツミランド,サブROMでは偽装キリンゴリラドランを回し続けました.どちらの構築も,元から強い構築を参考にしていたので,それなりに自信はありましたが,両方とも結果が伴って良かったです.

 

 

構築紹介

 

最終27位 レート2010 84勝38敗 ツツミランド


調整を簡潔に.

 

オオニューラ H4 A156 B124 D4 S220 いじっぱり 

S11 2位&6位 ぎんなんさんの調整そのまま,雪崩をアクロバットに変更

 

イエッサン H252 B236 D20 のんき

物理方面で耐える回数増やしたいためHB

 

テツノツツミ H252 C4 S252 おくびょう

サポート型配分,相手のツツミに抜かれたくないので最速

 

イーユイ H164 C108 S236 おくびょう

最速ウーラオス抜き

 

トルネロス C252 D4 S252 おくびょう

CS最速

 

ランドロス H4 C252 S252 ひかえめ

CS準速,ツツミのこごえるかぜとランドの地面テラねっさのだいち(両方ダブルバトルのダメージ)で大体のハバタクカミを落とせる火力

 

 

ほぼほぼお借りした構築なので,自分からは使用感についてだけ.というより,これからこのタイプの構築を使う方向けへのおまじないです.

 

命中不安と常に向き合わなければなりません.こがらしあらし,ねっさのだいち,ねっぷう,こごえるかぜだってはずれます.しかし,使うことを選んだ以上,全てを受け入れて下さい.まずは,命中不安技を打たなくてもいいタイミングを,しっかりと把握しましょう.しかし,命中不安技を打つことにひよってしまうことも良くないです.打つべきタイミングではしっかりと押さなければなりません.使い始めてしばらくは,このリスク・リターンの感覚を身に付けることをお勧めします.

 

命中不安を代償に,構築には圧倒的なパワーがあります.使った印象は,技を全部当てれば,95%の構築には勝てるレベルです.命中不安はそのディスカウントです.1度や2度ほど技を外しただけで即負けになることもそうないです.仮に,技が外れて勝てる試合の25%を落としたとしても,勝率7割はあります.命中不安によるディスカウントを最小にするプレイングだけ心がけましょう.

 

技が当たらなくても,穏やかな心を持ち続けましょう.技が当たらなくても,そういう構築を使っている自分の責任です.しかし,最終的には,構築パワーに見合った戦績に収束するはずです.技が一切当たらない最悪の日が,大事な最終日に来てしまうかもしれません.ですが,全てを受け入れて下さい.運が絡んで負けてしまうことが,自分の構築選択やプレイングのせいにできることをありがたく思いましょう.少なくとも自分は,つららおとしで怯んだり,ツタこんぼうの急所でぶっ飛んだりする方が,相当負の感情が溜まると思います.

 

 

最終17位 レート2016 92勝48敗 キリンゴリラドラン


調整を簡潔に.

 

パオジアン A252 D4 S252 ようき 

AS最速

 

カイリュー H180 A252 B12 D4 S60 いじっぱり

A特化,珠ダメ効率最大

 

ウーラオス H92 A252 S164 いじっぱり

A特化,水ウーラのA特化強化アイテム持ち水流連打確定耐え,あまりS

 

ゴリランダー H236 A252 B4 D12 S4 いじっぱり

A特化,他の調整は忘れた

 

ヒードラン H244 B4 C252 D4 S4 ひかえめ

C特化,耐久なるべく高く

 

リキキリン H124 B212 C156 D12 S4 ひかえめ

オリジナルの構築の配分そのまま

 

 

モロバレルやトリックルーム持ちはカイリューのギガインパクトで解決するつもりだったので,オリジナルのゴリラのちょうはつを,ヒードランやサーフゴーに打点を持てる10まんばりきに変更.突然火力の出るリキキリンがとにかく強かった.

 

カイリューの持ち物を命の珠にした理由の一つは,ギガインパクト後の隙を小さくする,あるいは相手視点そう見せるため.鉢巻カイリューがギガインパクトを打つと,拘らなければならないため,素早さのあまり高くないカイリューだと実は相手に2ターン分猶予を与えていることが多い.そのため,反動で動けないターンは実質相手から無視される対象になる.しかし,拘っていないと,反動ターン後にしんそくやアクアジェットで即仕事復帰するため,ギガインパクトの隙を減らせる.さらに,命の珠のダメージで,相手にその事を知らせることができる.つまり,カイリューが何もできないターンであっても,相手が高火力先制技を嫌う以上,無視できない存在になりうる.これが効いているようで,対戦していた印象,カイリューガン無視ターンが思ったより少なかった.カイリューもう仕事したし,いらないんだけどなぁ,といった場面でも反動で動けないカイリューを狙ってくれることがあり,実際に隙を小さくする以上に命の珠の役割は大きかったと思える.シルクのスカーフではこれはできない.

 

パオカイのゴリ押し選出する際には,1ターン目で爆アドを稼ぎ,数的有利を取る事を意識.その後,鉢巻で拘ったり反動で動けなくなったりしていると思うので,相手の裏を見ながら,あるいは予想をしながら,何を残すべきかを考えながら交代や突っ張り,切りの選択を行うと大体逃げ切れる.

 

 

選出

基本選出は以下の通り.

 

ツツミランド

 

追い風相手

先発: トルネロス & イーユイ

後発: テツノツツミ & ランドロス

 

それ以外

先発: テツノツツミ & ランドロス

後発: トルネロス & イーユイ

 

先制技抑制したい場合は,どこかをイエッサンに替える.

 

キリンゴリラドラン

 

追い風相手

先発: リキキリン & ゴリランダー

後発: ヒードラン & ウーラオス

 

それ以外

先発: パオジアン & カイリュー

後発: ゴリランダー & ウーラオス

 

どちらの構築も,相手に合わせて選出カスタマイズが多かったので,一概にこの選出とは言えないのですが,基本はこの並びを想定していました.

 

今回,最終日の対戦を録画してみたので,実際の選出や動かし方が気になる方は,そちらの方も参考にしてみて下さい.

 

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最後に

今回の反省点は,まだ余裕が少しあったのに1桁順位を目指さなかったことですかね.2ROMが30位以内にあるんだから,1つくらい目指しても良かったのではと思われても仕方ありませんが,今回別々の構築を使っていたこともあり,両方とも30位以内に入れてあげたいという願望の方が強かったです.正直,ツツミランドの方はまだまだ上を目指せる確信があったのですが,先述した通り,どうしても下振れの可能性を伴うので,中々さらに潜る勇気が出なかったです.今度は,30位以内前半を目指したいですね!

 

レギュEでのリージョナルは僕はもうこの先ないので,このルールでやるならランクマのみになると思いますが,先月のTorontoといい,レギュEの考察し甲斐があったと思います.1月のレギュFのリージョナルも出る予定なので,次のルールでも頑張ろうと思います!